アニメなどの感想を書き記すブログ

見たアニメの感想などを書き記します。

はたらく細胞【アニメ感想】

今回ははたらく細胞を視聴した感想を書きます。

 

アニメは既に3期まで放送されていますが、今回の視聴範囲は1期(1~13話)です。

この作品は、原作コミックス第一巻の表紙からもわかるように、赤血球と白血球(好中球)の2人を主人公としながら、血球の目線で人体の仕組みを、ほぼ1話完結のストーリーで見ていく内容です。

良いところ1! 表現の変換がうまい

まず全体として視聴した感想として、血球の機能のデフォルメが工夫されていると思いました。デフォルメが工夫されているというのがどういうことかと言いますと、血球の実態を忠実に擬人化しているわけではなく、知識を持たない人が最初はとりあえずこれだけ知っておけばOKという点に集中して、部分的に現実的でない要素を入れてエンタメとして昇華させているということです。

誰でも思うところで言えば白血球はナイフで細菌を一刀両断なんてことはしないわけですが、これはまあ知識のない人も誇張だとわかって見るところだと思います。

一方で、細胞の寿命については割とノータッチなんですよね

白血球はもって数日の命だし、血小板ちゃんも10日程度、赤血球さんはおよそ120日が寿命ですので、そこをリアルに表現してしまうと物語が成り立たなくなるわけです。

それから、細胞の大きさについてもあまり触れられていませんが、現実に即した描写にすると直径で比較したときにマクロファージさんは赤血球さんの2倍近い大きさになってしまう。これをリアルにしたら…それはそれで面白かったかもしれないですね笑

フィクションでありながらも、テーマは人体のリアルな仕組みですから、どこまでリアルを無視した表現をするか、非常に難しいところだと思います。

実態で言うなら赤血球がどこに酸素を運搬するか思考することはないでしょうが、そこを郵便屋さんのようなイメージで擬人化して身近なものとしてイメージさせるのはうまいと思います。赤血球が流れる仕組みよりも全身へ酸素を運搬する機能の方に焦点を当てたデフォルメですね。

 

良いところ2! 自然に正しい知識が刷り込まれる

第7話がん細胞の回では駆け足気味ながらしっかりとがん細胞ががん細胞である理由について触れられていました。つまり正常な細胞と、機能に異常があるががん細胞ではない細胞、そしてがん細胞があるわけですが、一定の条件を満たさない限り機能に異常がある細胞であってもがん細胞ではないんですね。作中に登場したがん細胞君はがん細胞の要件をしっかり満たしていました。

 

作中で酸素ボンベが登場するシーンがあるのですが、この酸素ボンベがちゃんと黒色のボンベで白色文字なんですよね。特に突っ込んで語られることのない地味な要素でありながら、現実に即した描写がされているところはキッチリしているなあと感心しました。日常生活で目にするガスボンベというと灰色の物を想像すると思いますが、あれも規定にしたがって色分けされて灰色なんですね。

 

総評

アニメを見ることの良さ、創作物全般に言えることかもしれませんが、自分の中にないものを摂取できることが良さの一つとしてあると思っています。

はたらく細胞は多くの人にとって人体の仕組みを知る入口としてのハードルをぐっと引き下げてくれる優しい作品であると感じます。科学的なことが少しでも好きな人であれば楽しく見られるのではないでしょうか。

 

2期、3期もありますので、いずれそちらも視聴したら感想を書き残したいです。

 

このアニメを見て誇張表現と現実的な描写をすべて識別できるようになったらあなたは細胞マスター!かも?